朝、ビルの自動ドアが開く。
それはまるで、別の星に降り立つ瞬間みたいだ。
同じ地球のはずなのに、空気の重さが少し違う。
会社という小さな宇宙には、独自の重力がある。
肩書きという名の軌道。
会議という名の惑星。
締め切りという名の流星群。
そこでは、それぞれが自分の役割を持っている。
営業の星、経理の星、現場の星。
ときどき衝突しながら、
それでもなんとかバランスを保って回っている。
外から見れば、ただの会社。
でも中にいると、それはとても広い世界だ。
笑い声が響く日もあれば、
沈黙が重くのしかかる日もある。
私も、その宇宙の一部だ。
小さな歯車かもしれない。
でも、確かにそこに存在している。
私が止まれば、何かが少しだけ変わる。
ふと窓の外を見ると、本当の空が広がっている。
会社の宇宙は、世界のすべてではない。
けれど、その中で過ごす時間は、
確実に私の人生の一部だ。
今日もまた、この小さな宇宙で働く。
重力に逆らわず、ときどき逆らいながら。
自分の軌道を見失わないように、
静かに、回り続ける。
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